私たち社労士は、就業規則などの規程を作成する専門家です。

そのため、顧問先などから「役員退職金規程」の作成を依頼される
ことがあります。

しかし、同じ「退職金規程」であっても従業員の退職金規程と
役員のそれとは、まったく別物です。

従業員の退職金というのは労働条件の一部であり、退職金規程に
定めることで従業員の「権利」として確定します。

したがって、会社には退職金の支払い「義務」が生じます。

また、「退職金の支給を受けることができる」というのは非常に
強い権利なので、原則として、会社の都合で退職金の支給額を
引き下げたり、退職金規程の廃止をすることはできません。

もし、制度の見直しをするのであれば、「合理的な理由」が必要
とされています。

その場合でも、制度変更時における「既得権の保障」をしたり、
「(定年年齢の引き上げなどの)代償措置」を導入する、さらに
従業員との話し合いの経緯(合意プロセス)なども重視されます。

このように、従業員の退職金規程というのは、労働者の権利や
義務に関わる規程(就業規則の相対的必要記載事項)ですので、
間違いなく社労士が行うべき業務です。

では、役員の退職金規程はどうでしょう?

そもそも役員というのは、会社(株主)から「委任」を受けて
職務の執行を行う者なので、従業員のような「雇用契約」とは
違います。

雇用契約ではありませんので、労働基準法の適用もありません。
株主から解任されてしまえば、身分の保証もないのです。

同じように、役員退職金というのも、法律で守られた権利では
ありません。

役員に退職金を支給するためには、株主総会での決議が必要に
なります。

たとえ「役員退職金規程」があったとしても、株主総会で承認
されなければ、役員に退職金が支払われることはないのです。

これが、「従業員退職金」と「役員退職金」の決定的な違いです。

つまり、

 役員退職金規程を作成したからといって、
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 必ずしもその規程通りに退職金が支払われるわけではない
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

ということです。

では、それなのになぜ、役員退職金規程を作成する必要がある
のでしょうか?

その理由については、こちらのビデオ講座で解説をしています。

★社長の退職金アドバイザー養成講座(ビデオ講座)
 http://seminar.zenshuren.net/20201020taishoku/

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