新聞記事によると、事務機器メーカーのリコーの業績が悪化して
おり、早期の事業転換が求められているとのこと。

主力である事務機器販売(オフィスプリンティング事業)は、
販売後にトナーなどの消耗品を交換・保守することで利益を
稼ぐビジネスモデルです。

しかし、在宅勤務やテレビ会議が普及することで印刷量が減り、
需要が激減しているようです。

そのため、デジタルトランスフォーメーション(DX)事業の
早期育成が迫られているとのこと。

社長も

 「ウィズコロナがニューノーマル(新常態)。
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  小手先の対応では乗り切れない」
 ~~~~~~~~~~~~~~~~

と危機感を表しています。

これまでの常識では、事務機器販売のビジネスモデルは非常に
優れているものとして高い評価を受けていました。

トナーやインクは消耗品ですから必ずリピート注文が発生します
ので、自動的に継続課金ができる「仕組み」になっているからです。

私自身も、素晴らしいビジネスモデルだと密かに憧れを抱いていた
ものでした。

しかし、そのことが「アダ」となってDXへの対応が遅れてしまった
のかもしれません。

もちろん、経営陣だって将来的にはDX事業へ転換をしなければなら
ないことは認識していたはずです。

でも、業績が好調だったので、そのタイミングを見誤ってしまった
のではないかと考えています。

おそらく、

 こんなに早いスピードで「在宅勤務」や「テレビ会議」が
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 一気に普及するとは想定していなかった
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~

のではないでしょうか?

これは、かつて隆盛をきわめていたアメリカの鉄道事業が衰退
してしまった理由にも似ています。

経営学者のセオドア・レビットは、アメリカの鉄道事業が
自動車や飛行機との競争に負けた理由について、

 「鉄道は自らを輸送事業と考えるのではなく、
  鉄道事業と考えてしまったために、
  自分の顧客を他へ追いやってしまった。

  なぜ、事業の定義を誤ったのかと言うと、
  輸送を目的と考えずに鉄道を目的に考えて
  しまったからだ。

  すなわち、顧客中心ではなく製品中心であった」

と述べています。

これと同様に、リコーも自らを事務機器メーカーだと考えて
しまい、ビジネス環境や顧客ニーズの変化に対応することが
できなかったと言わざるを得ません。

でも、これは他人事ではありません。
同じようなことが私たち社労士業界にも言えるからです。

電子申請が普及すると、書類作成や提出代行といった手続業務の
ニーズがなくなると言われて久しいですが、多くの社労士は

 「そうは言っても、まだ今のままで行ける」

と未だに対応を先送りしています。

しかし、「その時」は確実にやってきます。
だからこそ、事務所の「変革」に取り組む必要があるのです。

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