コロナの騒動によって、このところ「雇用調整助成金」と向き合う
時間が多くなっていました。

私はかなり早い段階(3月上旬)から

 「好む好まざるに拘わらず雇調金の申請支援をする必要がある」

 「これからは雇調金の申請ができなければ社労士にあらず」

といった発言をし続けており、それを実践していただくために

 「雇調金パーフェクトマスター講座」(3月20日開催)

の開催をしたり

 「雇調金ビジネスパッケージ」(3月25日発売)

といった教材の販売を行ってきました。

しかし、そもそも私が「雇調金ビジネス」を提唱していた背景には、
この機会をチャンスとして捉え、皆さんに新規の優良顧客を獲得して
いただくという目的(バックエンド)がありました。

 雇調金の申請に必要な「労使協定」を締結するにあたっては、
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 休業手当の計算方法や支給率が重要なポイントになるので、
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 そのための休業シミュレーションが必要になる。
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 そして、シミュレーションの重要性を理解してくれる企業こそが
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 社労士が顧問先にすべき優良顧客である。
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私はそのような「信念」を持って、教材の提供をさせていただいて
きたつもりです。

もちろん、その考えは今も1ミリも変わることはありません。

ところが、4月になって国の緊急事態宣言が発令されたことによって、
雇調金を取り巻く環境が大きく変わってきてしまったのです。

営業自粛要請を受けた飲食店や商店街などが、一斉に臨時休業や
営業時間を短縮することになり、日本中で多くの企業が売上減少
に見舞われることになってしまいました。

それを受けて、政府からは様々な経済対策や企業への支援策が
打ち出されることになり、その流れの中で雇調金の要件も大幅に
緩和され、助成率のアップも図られました。

さらに現在では、4月1日から6月30日までを「特別対応期間」と
位置づられて、

 雇用保険の被保険者でない労働者の休業手当の助成もする
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という施策(緊急雇用安定助成金)まで登場しているのです。

しかし、個人的な意見を言わせていただけば、

 「雇調金」と「緊急雇用安定助成金助成金」を区別することなく
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 助成金であれば何でも社労士が支援をするべきだ
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 という風潮には疑問を感じざるを得ません。
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それは、「緊急雇用安定助成金」というのは、雇用保険料を財源
とした「純粋な雇用関係助成金」ではないからです。

むしろ、政府や自治体の自粛要請を受けて休業したことによる、
「休業補償」や「所得補償」の助成金という意味合いの方が強い
ものだと思っています。

だとしたら、雇用関係の法定帳簿の提出などを求めずに、もっと
簡単に申請できるようにするべきではないかと感じています。

話が少し逸れましたので、元に戻しましょう。

このような状況なので、今では多くの社労士が雇調金や緊急雇用
安定助成金の問合せを受けるようになっています。

しかし、問合せや相談を受けても、社労士としては勤怠管理や
労務管理がきちんとできていない(帳簿が整備されていない)
小規模企業の支援はできないので、依頼を断っているケースが
ほとんどです。

そして、そのことで頭を悩ませていたり、罪悪感を感じてしまって
いる人もいるようです。

社労士には本当に真面目な方が多いですからね。

そこにきて、厚生労働省から

 「助成金の不正受給に関する社労士の連帯責任を解除する」

という特例措置が行われ、社労士会からも助成金の申請支援を
積極的に行うようにとの通達が出されたところです。

こうなると、今後はますます「社労士は助成金の支援をすべきだ」
という風潮がさらに強まってくることを心配しています。

もちろん、

 困っている人がいるのだから、社労士が支援すべきだ
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という意見はその通りだと思います。

しかし、社会貢献活動やボランティアで行うのではなく、ビジネス
として取り組むのであれば、「優先順位」を考えなければなりません。

なぜなら、

 あなたの事務所だけですべての企業を支援することはできない
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からです。

では、この「優先順位」をどのように考えるべきなのでしょうか?
それには、次の質問の答えを考えていただくと良いと思います。

 「あなたは、社労士としてどんな仕事がしたいのですか?」

 「あなたは誰(どんな企業、経営者)の支援をしたいですか?」

こんな時だからこそ、この「本質的な質問」を考えてみることで、
今後の方向性が見えてくるかもしれません。

ちなみに、私が付き合いたい経営者はこんな方です

 ・会社経営のことを真剣に考えている

 ・未来志向で逆算思考ができる

 ・社員のことを大切に思っている

 ・遵法意識がある

 ・素直で誠実

 ・コンサルティングの価値を理解してくれる

こんな経営者が今この瞬間に本当に困っているのでれば、
たとえ「無料」であっても助けてあげたいと思いますけどね。

これが私の考える「優先順位」です。

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