このところ、「在職老齢年金」に関する議論が活発になっています。

政府が70歳までの雇用を前提とした「骨太の方針」を打ち出したり
「年金だけでは2000万円不足する」といった報道がされたことに
よって、年金についてマスコミが取り上げる機会が増えています。

日曜日の朝日新聞の一面には

 「働く人の年金 減額見直しへ」

という記事が掲載されていました。

それによると、厚生労働省が在職老齢年金の廃止・縮小を検討する
方針を固めたとのこと。

夏の参院選後に社会保障審議会で具体的な議論を始め、来年の通常
国会への関連法改正案の提出を目指すようです。

 では、在職老齢年金は本当に廃止されるのでしょうか?

あくまでも個人的な意見ですが、私は基準額の上限を見直すことは
あっても、在職老齢年金が廃止されることは絶対にないと考えています。

その理由は、そんなことをしても全く意味がないと思うからです。

在職老齢年金の見直し議論の根底にあるのは、厚生年金が年金が受給
できる年齢になっても、働いて一定の収入がある場合には年金が調整
されてしまうと「勤労意欲」が削がれるという問題です。

たしかに、60歳台前半の在職老齢年金は基準額が28万円ですから、
働いてしまうと多くの方が年金が支給停止になってしまいます。

しかし、60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金は段階的に廃止される
ことが決まっていますので、今さら見直しをしても効果は限定的です。

もし本気で見直すつもりなら、もっと前にやっておくべきだったと
言わざるを得ません。

 では、65歳以降の在職老齢年金はどうでしょう?

こちらについては、基準額が47万円ですから、基本月額が10万円の
場合には、月給35万円程度までは支給停止はかかりません。

実際に、現在65歳以上で在職老齢年金の対象になっている人は、
年金受給者の1%程度しかいないのです。

そのほとんどが、経営者や経営幹部であると考えられます。

つまり、在職老齢年金を廃止して恩恵を受けるのは、一部の富裕層
だけということになります。

そうなると、「高所得者優遇」という批判は免れません。

表向きは「70歳まで働く社会を実現させる」ということのようですが、
制度の見直しによって就労促進効果がどの程度見込めるのかは未知数
なのです。

在職老齢年金の見直しに関しては、これまでにも幾度となく議論が
ありましたが、結局は「見送り」となって現在に至っています。

今回もやはり、選挙を見据えた「ポーズ」ではないかと疑われても
仕方がないかもしれません。

 では、どうすれば良いのか?

これも個人的な意見ですが、私は老齢年金にも「所得制限」を設ければ
よいのではないかと思っています。

在職老齢年金ばかりが問題視されていますが、そもそも厚生年金に加入
せずに不動産収入などがある人は、年金が満額もらえます。

年収2000万円位ある人でも、満額の老齢厚生年金を受給しているケース
もあるのです。

この人たちの年金を支給停止にしてはどうでしょうか?
だって、遺族厚生年金には所得制限があるじゃないですか。

まぁ、そんなことを言っても、なかなか難しいのでしょうけど・・・。

結局のところ、この問題を議論すると、それぞれの立場の人たちが
それぞれの主張をすることになりますので、収拾がつかなくなって
しまうのでしょう。

もっとも、今回ばかりは政府も本気のようですから、基準額の上限
見直し程度のことはやるかもしれません。

しかし、月額100万円以上の高額報酬を受けている経営者は、やっぱり
年金がもらえないことに変わりはないでしょう。

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