働き方改革を推進することで労働者の「賃金アップ」を図り、
消費を刺激して経済を活性化させるというのが政府の狙いです。

だから、助成金という「ニンジン」をぶらさげて、一生懸命に
賃上げをさせようとしているのです。

もちろん、賃金コンサルをする私たちにとってはウエルカムな話
ですから、このチャンスに乗っかるべきだと思います。

しかし、助成金が獲得できるからといって、安易に制度を導入する
ことは危険だと言わざるを得ません。

これはあくまでも個人的な考えですが、賃金コンサルに使える助成金
には、

 「積極的に使うべき助成金」と「使うべきではない助成金」
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があると思っています。

昨日もお伝えした通り、賃金コンサルティングに使える助成金には、
以下の7つがあります。

 ★人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)

 ★人材確保等支援助成金(雇用管理制度導入コース)

 ★キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)

 ★キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)

 ★キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)

 ★65歳超雇用推進助成金(高年齢者評価制度等雇用管理改善コース)

 ★時間外労働等改善助成金(団体推進コース)

この中で「使うべきではない」あるいは「注意して使うべき」助成金は
「賃上げ」が要件とされているものです。

具体的には、「人材確保等助成金(人事評価等改善コース)」と
「キャリアアップ助成金(賃金規程等改定コース」です。

どちらも「2%以上の賃上げ」が要件とされています。

これは、たとえば25万円の給与の社員であれば月5,000円、年間6万円
もの人件費負担が増えるということです。

社員が10名いる会社であれば、年間60万円の負担増です。
しかも、それが毎年続くことになります。

ということは、50万円程度の助成金を1回限り受給したとしても、
会社にとっては(金銭的な)メリットはありません。

しかも、助成金の要件を満たすためには、就業規則(賃金規程)に
賃金表を掲載して、労基署に届出をしなければならないのです。

就業規則に賃金表を掲載して届け出るということは、その賃金表に
基づく「賃金アップ」を社員に約束することになります。

それは会社にとってのリスクになりますし、場合によってはその
賃金規程が原因で労働トラブルに発生する可能性もあります。

経営環境に変化はつきものですから、現時点で業績が好調だから
といって、将来にわたってずっとそれが続く保証はありません。

したがって、通常であれば、昇給の時期については、

 毎年○月○日とする。但し、業績低下、その他やむを得ない事由が
 ある場合は、この限りではない。

また、昇給額の基準や方法についても、

 昇給額は、従業員の勤務成績等を査定の上、各人ごとに決定する

といったように、なるべく固定的な表現を避けるのが一般的です。

もちろん、賃金表を就業規則に掲載する必要などありません。

それなのに、たった50万円程度の助成金を受給するために、わざわざ
そんなリスクを負う必要があるでしょうか?

ましてや、私たち社労士の方から、そんな提案をするというのは
本末転倒だと思います。

そんなことをしていると、

 社労士が自分の報酬を目的で妙な提案をしている
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と指摘されても仕方がありません。

それならば、無理に助成金を活用せずに、何の制約もなく、自由に
賃金制度を設計した方が良いと、私は考えています。

私が提唱をしている「助成金を活用した賃金コンサル」というのは
そのような邪道な方法ではないことを、申し添えておきます。

具体的なやり方については、こちらの説明会でお伝えします。

 ★賃金コンサルティング講座の説明会
  http://organization-ex.com/L71358/v527/53591

 日時: 5月31日(金)14:00~16:00

 場所: ちよだプラットフォームスクエア401会議室

 定員: 20名(先着順にて締切)

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