事務所の戦略には、
「商品(サービス)」×「顧客対象」の組み合わせ
によって、以下の4つの方向性があります。
「既存の商品」×「既存の顧客」= 既存深耕
「既存の商品」×「新規の顧客」= 新規(顧客)開拓
「新規の商品」×「既存の顧客」= 新商品開発
「新規の商品」×「新規の顧客」= 新規事業
本日は、「新規事業」についてお伝えしましょう。
「新規事業」とは、「新規の商品」を「新規の顧客」に提供する、
これまでとはまったく新しいビジネスを立ち上げることです。
これは「4つの戦略」の中でも、一番難易度が高いとされています。
これまでお伝えした3つの戦略では、「商品」か「顧客」のどちらか
一方は「既存」のものでした。
「新しい顧客(市場)」に打って出るにしても、「商品」については
熟知しています。
あるいは、「新商品」を扱うにしても販売する相手は「既存客」なので、
顧客の状況についてはわかっています。
しかし、どちらも「新規」ということになると、ある意味で「起業」
するのと同じようなものです。
つまり、「ゼロ」からのスタートになります。
だから、いきなり「新規事業」の戦略を採ることはリスクが大きいと
言わざるを得ません。
一般的には、
「既存商品」×「既存顧客」
↓
「新規商品」×「既存顧客」
↓
「新規商品」×「新規顧客」
という流れか、
「既存商品」×「既存顧客」
↓
「既存商品」×「新規顧客」
↓
「新規商品」×「新規顧客」
のどちらかのルートで「新規事業」に参入するべきとされています。
たとえば、当社は昨年より「相続ビジネス」に取り組んでおります。
このビジネスは当社にとって「新しい商品(サービス)」であることは
もちろん、対象顧客がこれまでの「法人(BtoB)」から「個人(BtoC)」
になりますので、まさに「新規事業」になります。
「新規事業」の一番の難しさは、
これまでの「顧客リスト」や「顧客開拓手法」がまったく使えない
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ということです。
当社には「相続で困っている人のリスト」がまったくありませんし、
私はFacebookやLINEも積極的にはやっていませんので、個人の方に
直接アプローチするマーケティング手法をほとんど知りません。
そこで、まずは「新規商品」×「既存顧客」のルートに向かうことに
しました。
既存顧客は、企業の「経営者(社長)」です。
その人たちに対して、「事業承継」という新商品を販売する作戦です。
そして、次のステップで社長という個人に「相続」の提案をします。
これで「BtoCビジネス」が完成します。
社長を相手にした「個人向け相続ビジネス」の経験を積んでから、
富裕層やサラリーマン向けの相続ビジネスへと展開をする予定です。
このように、「新規事業」に取り組むのであれば、途中にワンクッション
入れて「2ステップ」で参入するのが、失敗しないやり方だと思っています。