損益計算書を見るときのポイントは、「5つの利益」を理解して
おくことである、という話をしました。
その中でも特に重要なのが「営業利益」です。
営業利益とは、以下の計算式で表され
営業利益 = 売上 - 原価 - 販管費
「本業で稼ぐ力」を表した指標です。
金融機関が融資をする際に、とても重視する項目になっています。
ちなみに、金融機関は「営業利益」と「減価償却費」をチェック
して、返済能力を見極めています。
ところで、助成金を提案するときのセールストークに
助成金というのは、タダで貰えて返済する必要のないお金です。
たとえば、営業利益率5%の会社の場合、50万円の助成金を受給
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することは、売上に換算すると1000万円に匹敵します。
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(50万円 ÷ 5% = 1000万円)
というものがあります。
しかし、決算書の知識があれる人からみれば、このセールストーク
は間違いであることがわかります。
営業利益率5%ということは、1000万円の売上に対して営業利益が
50万円(1000万円の5%)出ている会社ということです。
しかし、50万円の助成金を受給しても、営業利益が50万円増える
わけではありません。
なぜなら、助成金というのは「雑収入」、つまり「営業外利益」として
計上されるからです。(本業で稼いだ利益ではないということです)
たしかに、「雑収入」が50万円増えれば「経常利益」は50万円増えます。
しかし、「営業利益」はまったく増えません。
だから、「50万円の助成金は1000万円の売上に該当する」というのは
正しくないのです。
このようなセールストークを、決算書に詳しい社長に使ってしまうと、
『コイツ、経営のことがわかってないな』
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とバカにされてしまいますよ。
さらに言うなら、50万円の営業利益を増やすためには、1000万円も
売上を増やす必要はありません。
なぜなら、プラスアルファの売上をあげるための「固定費」は必要
ないからです。
「変動費率」が50%の会社が、50万円の営業利益を増やすためには、
100万円の売上をあげればよいだけなのです。
もちろん、こうした「たとえ話」はセールストークとして有効な
場合があります。
しかし、正しい知識を持たずに使ってしまうと、思わぬことで足元を
すくわれることがありますので注意が必要です。
あなたは、間違ったセールストークを使っていませんか?