給与計算は「ある日突然」やってくる。
それは、担当者が退職することになったから。
そこで、あなたの事務所に白羽の矢が立ちます。
『先生の事務所って給与計算はやってないんですか?』
この時、あなたには2つの選択肢があります。
顧客からの依頼を「引き受ける」か、それとも「断る」か?
しかし、ほとんどの人は目の前に仕事がぶら下がっていると、
なんとなく「引き受けなければならない」という気持ちになって
しまうようです。
それが顧問先からの依頼や日頃からお世話になっている税理士
からの紹介であったら、なおさらでしょう。
あるいは、人事労務の専門家として「給与計算はできない」とは
言いにくいという事情もあるのかもしれません。
だって、あなたの名刺には
「人事労務管理のことなら何でもお任せ下さい」
なんて書いてあるんですからね。
こうして、あなたは突然やってきた給与計算業務を、相手から
言われたままに引き受けてしまうことになってしまうのです。
しかし、これが「悲劇のはじまり」です。
さて、これって実は「社労士事務所のあるある」なのですが、
いったい何が問題なのかわかりますか?
それは、契約内容を明確にしないで、
顧客の言われたままに給与計算を受託してしまった
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ことなのです。
たとえば、給与計算の締日・支払日の問題があります。
中小企業の場合、「20日締め・25日払い」なんて会社はたくさん
あります。
しかし、社労士事務所で給与計算を受託する場合には、こんな
短納期ではとてもやってられません。
あるいは、残業代の計算方法。
法定通りに正しく計算をしている会社は意外と少ないものです。
あなたの事務所で給与計算をするようになったら、残業代の
負担が多くなってしまい
『こんなに残業代を払ったら会社が潰れてしまう』
なんて怒られたりします。
社会保険への加入問題もあります。
『ウチの会社はパート社員は社会保険に入れないんです』
『すぐに辞めてしまう社員がいるので、社会保険は入社から
3ヵ月経って加入させることにしています』
といった「ローカルルール」が存在したりします。
しかし、これはまだ給与計算を受託したことによる「悲劇」の
ほんの一部にすぎないのです。