社労士ビジネスにおいて、「誰を顧客にするのか?」というのは
非常に重要なことです。
開業当初は契約を獲得することだけを考えて、がむしゃらに走り
続けるという人が多いと思います。
そうして5件、10件、20件と顧問先や関与先が増えることで、
事務所の売上も右肩上がりに増えてきました。
しかし、ある段階にまでやってくると臨界点を迎えます。
ひとり事務所を経営している場合には、顧問先を20社も抱えると
事務作業が追い付かなくなってしまいます。
平均顧問料が2~3万円だとすると、月商で50~60万円という状態
です。
事務所の経営的は安定をしていますので、生活の心配はありません。
でも、ここから先になかなか進めないのです。
いわゆる「年商1000万円の壁」というヤツですね。
そして、あまりにも忙しいのでパートさんを雇います。
すると、パートさんに給与を支払うので自分の収入が減ってしまいます。
だから、また新規の顧客を獲得します。
そうすると、どんどん忙しくなってしまいます。
忙しくなったわりには、以前よりも収入が減っていたりします。
忙しいばかりで、まったく儲からない状態。
ある日のこと、とんでもない事態が発生します。
パートさんが突然辞めることになったのです。
『やっと一人前に仕事ができるようになったのに・・・』
そんな風に嘆いたところで、もう後の祭りです。
これまでパートさんに任せていた事務作業が、一気にあなたに
のしかかってきます。
給与計算をするのに徹夜をしたなんて話もよく聞きます。
忙しいばかりで、まったく儲からない。
目先の仕事に追われてしまい、長期的な視点で考えられない。
これが、いわゆる『ラットレース』の状態です。
ほとんどの人が開業して3~5年位で、この状態に陥ります。
そして、開業して10年以上経っても、ここから抜け出せていない
という人もたくさんいます。
このような『ラットレース』から抜け出す方法は1つしかありません。
それは、顧客対象を変えることです。
いや、顧客対象だけを変えてもダメかもしれません。
なぜなら、顧客対象が変われば、商品やサービスも変わってしまう
からです。
商品・サービスと顧客対象を変えることになると、ビジネスモデル
そのものが変わってしまうのです。
この決断ができないと、「年商1000万円の壁」を超えることは
難しいのです。
助成金バブルで瞬間風速で年商1000万円を突破しても、安定的・
継続的に稼ぎ続けることはできないでしょう。