ある雨の日のことでした。

とある商家の軒先に、若い旅人がやって来て、

「すみません。少しだけ雨宿りさせてください」

と頼んできました。

まぁ、軒先だけなら良いだろうと、その商家の主人は快く貸して
あげました。

長梅雨の時期でしたので、雨はなかなか降り止みません。

そのうち、見かねた主人が

「ずっと軒先にいるのもなんだろうから」

と、中へ入れました。

話を聞くと、若い旅人は「行くあてがない」と言います。

「だったらうちに居たらいい」

と、店番をしてもらうことになりました。

その旅人は商売がとても上手でした。
「客の扱いが良い」とたちまち評判になり、店は繁盛しました。

お客だけではありません。
店の奉公人たちにもすこぶる評判が良かったのです。

とまぁ、そこまでは良かったのですが・・・。

雨が降り止む頃には、旅人は店の主人に収まっていたのです。

これが、いわゆる「軒先を貸して母屋を取られる」という話ですね。

先日、あるクラウド勤怠管理システムの会社から

 『認定アドバイザーになりませんか?』

という案内が届きました。

曰く、

 あなたの顧問先に勤怠管理システムを導入して下さい。

 そうすれば、あなたの事務所の業務も効率化されますよ。

 成約した場合には、紹介手数料(最大7万円)も支払います。

 顧客も紹介できるかもしれません。

 アドバイザーの登録料などは一切かかりません。

 説明会への参加も無料です。

といった、とても魅力的な提案でした。

でもね。

この会社は、勤怠管理システムだけでなく、給与計算ソフトや
労務管理ソフトも提供しています。

顧客の利便性を考えると、最終的にはすべてを連動させることに
なるでしょう。

そうなると、私たち社労士はどうなりますか?

「軒先を貸して母屋を取られる」というのは、まさにこのことです。

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