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賃金コンサルタントとしての矜持を持つ

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人事評価改善等助成金の一番の問題は、

社員と2%の賃上げをすることを約束し、
賃金テーブル(昇給表)を就業規則に掲載しなければならない

ことです。

賃金というのは、もっとも重要な労働条件の一つになりますので、
社員と安易な約束をすることはできません。

ましてや、助成金を獲得するために”とりあえずの賃金テーブル”
を作成するなんて、あまりにも危険すぎます。

今回の人事評価改善等助成金が他の助成金と違うのは、それが
「社員の生活」や「会社の経営」にとって重要な、賃金に関する
制度を規定するところにあります。

社員にとっての賃金とは”生活の糧”であり、会社にとっての
賃金は固定費の中で”最大の費用”です。

この両者は、「こちらを立てれば、あちらが立たない」という、
トレードオフの関係にあります。

そもそも賃金を決めるというのは非常にセンシティブな行為であり
本来であればここに法律が関与すべきではないと私考えています。

そのため、労基法でも「最低賃金」や「賃金支払い5原則」を
定めているだけで、賃金の決め方や金額については使用者の裁量
に任されているところがあります。

つまり、賃金をどのように決めるかというのは経営者の自由であり、
「定期昇給を約束させられる」というのは経営者の裁量を奪う行為
だと思っています。

(大企業における会社と労働組合の交渉とは違いますよ)

経営者というのは、常に会社の利益や資金の状況を睨みながら、
社員の給与をどうするのかを考えています。

ちなみに、ここで言う経営者とは、社員30人未満の小規模な会社で、
社員のことを思って一生懸命に努力をしている人のことです。

彼らは、会社の業績が良ければ、社員にはできるだけ多く給与を
支払いたいと思っています。

しかしその一方で、会社の業績が思わしくなければ十分な給与が
支払えない(昇給ができない)ことも知っています。

だからこそ、給与に関して安易な約束はできないと考えている
のです。

ここに私たちの役割があると思っています。

こうした経営者の悩みを理解した上で、労使がお互いに納得できる
制度を作るのが、私たちの仕事なのです。

しかし、賃金コンサルの仕事というのは、一般的な社労士業務
とは少し違います。

それは、賃金制度には「正解」というものがないことです。
ここが労務管理などの法律を根拠とした仕事とは違うところです。

最低賃金等の法律を守ってれば、給与をどのように決めるかは
基本的には自由なのです。

自由だからこそ、経営者はどのように給与を決めればよいのか
わからないのです。

社員の生活と会社経営のバランスを取りながら、ギリギリの線で
悩んでいます。

それなのに、人事評価改善等助成金では、強制的に2%の賃上を
約束させようとしています。

いくら助成金がもらえるからと言って、そんな制度を安易に導入
させるというのは、私が考えている賃金コンサルタントの仕事
ではありません。

だったら助成金を活用せずに、賃金制度の導入をするべきだと
思っています。

ここは絶対に譲れない線であり、いわば私の

賃金コンサルタントとしての矜持

とでも言いましょうか。

社員にとっても、会社にとっても重要な賃金を決めるためには、
会社の経営状況を把握するのが大前提です。

それを抜きに助成金をもらうためだけに書面での約束をして
しまうことはあり得ない、と私は考えています。

あなたも人事評価改善等助成金を扱うのであれば、それなりの覚悟
を持って仕事をしていただきたいと思います。

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<本日のワンポイント動画>

社労士が人事評価改善等助成金を提案する上での注意点
https://youtu.be/XLQeTSh-fFY

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