昨日は、パート社員の社会保険加入問題についてお伝えしました。

近い将来、500人以下の中小・零細企業においても、パートの
社会保険加入が義務づけられると、会社の負担は非常に大きく
なるということです。

本日は、もっと切実な問題についてお話しましょう。
それは、社会保険未加入事業所の問題です。

昨年の発表では、法人企業で社会保険の加入義務があるにも
拘わらず、加入していない企業が70万社あると言われていました。

最近では社会保険の調査が厳しくなったとはいえ、現在でも
おそらく50万社以上の未加入企業があると思います。

こうした社会保険未加入の会社が、社会保険に加入すると
どうなるのか?

これが社会保険未加入事業所の問題です。

たとえば、年収300万円(月給25万円)の社員を10名雇っている
会社があったとします。

年間の社会保険料は、社員1人あたり約45万円(月額約3万7500円)
です。

社員が10名ですから、会社の負担は450万円(月額37万5000円)。

これは、かなり重い負担です。
だから、社会保険に加入していないのだと思います。

しかし、こうした未加入企業への取り締まりは確実に進んで
いるのです。

では、年金事務所の指導に従わないと、どうなってしまうので
しょうか?

ご存知の通り、社会保険料徴収の時効は2年間です。

別の言い方をすれば、年金事務所は2年分の社会保険料を遡及して
請求する権利を持っていることになります。

上記の会社の場合、1800万円の請求が来ます。

会社の負担は450万円×2年間=900万円ですが、社会保険料と
いうのは社員分と会社分を合せて会社が支払うことになって
いるので、請求は1800万円になるのです。

社員分の900万円は、本人から徴収しなさいという理屈です。
(本人から請求することは事実上難しいですね)

ですから、年金事務所の指導には従わざるを得ません。
ということは、会社の経営が非常に厳しくなるということです。

しかし、私はこうした会社が可哀そうだとは思いません。
だって、彼らは法律違反をしているわけですからね。

そして、こうした法律違反を見逃している行政や、私たち
社会保険労務士にも責任があると考えています。

こうした法律違反を見て見ぬフリをしていながら、社労士が
社会保険料を安くする提案をしてはいけないなんて、どっちが
おかしいのやら?

役員報酬最適化コンサルティングは、社会保険や税金のルール
の中で、適正に行われている手法です。

一方、法人企業が社会保険に加入していないのは、明らかに
法律違反です。

社労士としての品位や倫理を問う前に、法律違反を正すのが
社労士の責務ではないかと思っています。

 

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